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医師がオゼンピックを分かりやすく解説!

 監修医師:野間直樹

ダイエット薬のオゼンピックとは?
 オゼンピックとは何か

オゼンピックはGLP-1受容体作動薬という、元々糖尿病の治療薬として使われてきた薬の一種です。「GLP-1」は血糖値の上昇に応じて、インスリンという血糖値を下げる効果のあるホルモンが分泌されるのを促進するインクレチンというホルモンの一種です。つまりGLP-1というホルモンは、もともと私たちが体内に持っている物質です。これをGLP-1受容体作動薬として対外から入れることにより、血糖値の調節機能だけではなく食欲を抑制し満腹感を感じやすくし、食事量を減らすことでダイエット効果に結び付けることができます。

オゼンピックは、2017年にFDA(アメリカ食品医薬品局)によって承認され、現在28カ国で販売されている医薬品です。日本でも2型糖尿病に対して承認され販売されています。


オゼンピックが新しくなり、より使いやすく!
 2022年に新型のオゼンピック2㎎が発売開始!

オゼンピックは週1回、0.25mgの用量で開始し、0.5mg1.0mgと上げていきます。

従来型のオゼンピック皮下注は0.25mg0.5mg1.0mgとそれぞれの用量が1本の注射器になっている3種類の規格であったため、用量を途中で変更した際は未使用の薬剤が無駄になってしまうことがありました。

しかし、現在は1本のオゼンピックに2mg含まれてるタイプに変更され、ご自身でダイヤルにを調整することで必要な用量だけを接種できるようになりました。また、以前のタイプは1本丸々接種する必要があったため薬剤の量が多く、本体に太目の針(約0.33mm)が付属されていたため、注射時に痛みを感じる方が多いことが懸念点でした。しかし、現在は1回で注射する薬剤の量が減ったとともに、32G34Gなどの、髪の毛ほどの細い針(約0.18mm)を使用することができるようになり、痛みをほとんど感じずに使用できるようになりました。当クリニックでは、この2mgタイプを取り扱っております。


オゼンピックはどうやって使用するの? 
 投与方法

オゼンピックは週に1回投与するGLP-1受容体作動薬です。注射部位は、必ず皮下部分(脂肪が多い部分)を選択してください。特に傷口や埋め込み等がない場合は、一般的にお腹が1番投与しやすいかと思います。お臍から指3本分ほど離れた箇所に投与してください。


 保管方法

40度を超えると成分が変化してしまいます。使用前までは冷蔵庫で保管をして頂き、使用開始後は冷蔵もしくは室温(130℃)で保管し、8週間以内に使用してください。


 投与し忘れた場合

注射をし忘れた場合は、次に 注射する日までの期間が2日間(48時間)以上であれば、気づいた時点で直ぐに注射し、その後はあらかじめ定めた曜日に注射してください。 次に注射する日までの期間が2日間(48時間)未満であればその時点では注射せずに、 次のあらかじめ定めた曜日に注射してください。


コラム:オゼンピックは本当に1週間も持続的に効果があるのか?

よく患者さんに「オゼンピックは、本当に1週間も持続的に効果があるのか?」と質問をいただきます。下図は、オゼンピック0.5mg1.0mgで使用している方の、投与日から7日後までのオゼンピック(セマグルチド)の血中濃度を示した図です。投与した後半で急激に血中濃度が下がることはなく緩やかなカーブを描いており、1週間ごとの投与でもGLP-1の効果が緩やかに継続することがわかります(1*)。

 

オゼンピックの効果は?どれくらいの期間でどれくらい痩せる?研究結果をみてみよう!
 研究オゼンピック使用者での明らかな体重減少

食事療法と運動療法のみで管理されていた2型糖尿病患者さんを対象に、セマグルチド(オゼンピック)0.5mg、セマグルチド(オゼンピック)1.0mg、またはプラセボ(偽薬)を投与し、30週間にわたって経過を追った研究結果を紹介します。こちらは日本を含む世界72カ国で行われた大規模臨床治験で、その中から体重変化を追跡した図がi)ii)です。以下に、上記副作用の項目でも紹介したSUSTAIN1の臨床治験で体重変化について調べた項目がありましたので紹介します(2*)。

ご覧の通りプラセボ群と比較してセマグルチド群は投与後4週間より著明な体重減少を認め、30週時点では開始時点から平均でセマグルチド0.5mg群は3.73kgの減少を、セマグルチド1.0mg群は4.53kgの減少を認めました。プラセボ群は0.98kgの減少しか認めなかったことを考えると、セマグルチド(オゼンピック)によるダイエット効果ははっきりと見られると言えるでしょう


 研究オゼンピック使用者での明らかな体重減少

こちらはBMI3045の肥満患者さん(糖尿病患者以外)を対象にしたセマグルチド皮下投与(オゼンピックの成分。以下便宜上「オゼンピック」と表記する)の試験の結果です(3*)。この試験ではオゼンピックの量を0.25mg 0.5mg1.0mgと段階的に上げてた群(図では1.0mgと表記されている)とプラセボ(偽薬)を投与した群を比較しておりますが、プラセボ群では12週間後に体重減少を認めなかった(むしろ1kg増加した)のに対して、オゼンピックを投与した群では約5kgの体重減少を認めておりますA図)

さらにこの論文は面白い研究をしており、オゼンピックまたはプラセボを12週間投与した被験者を一箇所に集めて、昼食、夕食、お菓子タイムに自由に食事をさせて、カロリー摂取量も観察しております。その結果、オゼンピック群はプラセボ群と比較して、昼食、夕食、お菓子タイムの全てにおいて摂取カロリーが低下していたことが分かりましたC図)。また摂取した食事を中心に見ていきますと、オゼンピック群は高脂質の食事の摂取が減少していることがわかりましたD)。


研究結果オゼンピックとトルリシティは、オゼンピックの方が減量効果が高いと認めれている

一つにGLP-1製剤と言っても、セマグルチド、リラグルチド、デュラグルチドといった成分に細分されます。オゼンピック(注射)、サクセンダ(注射)は「セマグルチド」、リベルサス(錠剤)は「リラグルチド」、トルリシティ(注射)は「デュラグルチド」という成分です。以下の研究では、セマグルチドとデュラグルチドを比較しています(4*)。

こちらはSUSTAIN7と呼ばれる16カ国、194病院が参加した大規模臨床治験(フェーズ3b)の論文となります。この治験ではメトホルミンという糖尿病薬のみを処方されている2型糖尿病患者1201人を対象に、セマグルチド(オゼンピック)0.5mg、セマグルチド(オゼンピック)1mg、デュラグルチド(トルリシティ)0.75mg、デュラグルチド(トルリシティ)1.5mgのいずれかを40週間投与した結果となります。

体重変化においては図に示す通り、投与開始後4-8週間頃より差が出始め、最終的にはセマグルチド(オゼンピック)の方がデュラグルチド(トルリシティ)よりも体重減少量が多かったことが観察されました。

また、40週時点での平均体重変化量は、セマグルチド(オゼンピック)0.5mg4.6kg、デュラグルチド(トルリシティ)0.75mg2.3kg、セマグルチド(オゼンピック)1mg6.5kg、デュラグルチド(トルリシティ)1.5mg3.0kgの減少でした(図)。全ての群で体重減少を認めたものの、低容量、高容量のどちらの比較でもセマグルチド(オゼンピック)群の方が高い体重減少効果を示している事がわかります。




 食欲抑制効果は早期に見られるものの、短期で大減量する薬ではありません

上記論文結果でもわかるように、オゼンピックの食欲抑制効果は早期に現れますが、短期で大減量するお薬ではありません。

臨床試験でも安全に使用する上で、試験期間が12週間(3ヶ月)〜1年で結果を発表しているものが多い印象です。糖尿病の患者さんではなく、健常な方に使用した方が体重減少が著明な印象はありますが、食事療法や、運動療法を全く考慮しないGLP-1ダイエットでは結果が出るのが遅いです。

GLP-1をサポートとして使用して、独自でダイエットするより効率的に体重を減少させたいと考えている方は、是非食事療法や運動療法も併用して行なってください。

当クリニックでは処方だけが目的ではなく、当クリニックを選んでくれた方が希望の理想体重に到達できる事を目的に、栄養士やトレーナーとも連携しており、さまざまな角度からのサポートをすることが可能です

気になる方は是非そちらもお問合せください。


オゼンピックを使っているのに痩せない!どうすればよい?
生活スタイル全体を再確認しよう!
  1. まずは、十分な期間服用しているか確認しましょう。食欲抑制状態に体が慣れて、少ない食事量に適応してくるまでの期間が約2週間と言われています。反対に、2週間経たずにGLP-1ダイエットをやめてしまうと少ない食事量に慣れないため食欲や食事量が戻ってリバウンドしやすくなります。そして、食事量を1日減らしても体重がすぐに落ちないのと同じように、食欲を自然に落とすGLP-1受容体作動薬を注射(内服)してもすぐに体重減少が見られるわけではありません。自然で無理のない範囲で体重を落としていくためには約3ヶ月後の効果判定が必要だと言われています。1週間で痩せないと思っても、諦めずに継続してみてください。そうは言っても結婚式などの予定があり急いでいる方や、過去に長期間GLP-1ダイエットをしたのにも関わらず体重が減少しなかった方などは、安全な範囲内で最大限の効果が出るようなアドバイスをさせていただきますので、クリニックまでいつでもご相談ください!

  1. バランスよく食事をできているかを確認しましょう。GLP-1ダイエットは食用抑制機能を使ったダイエット方法となりますので、サプリメントのような栄養素ではありません。そのため、食事自体はいつもより少ない量で済むはずですが、脂質糖質の多い食事や偏りのある食事をしている場合、ダイエット効果が低くなります。

  1. 適度な運動も取り入れるとより痩せやすくなります。GLP-1ダイエットは食欲を抑制しながら無理なくダイエットが出来る方法として知られていますが、全く運動をせずGLP-1を打ち続けるだけでは、痩せるスピードは緩やかなものになります。少しでもウォーキングなどの有酸素運動(ウォーキングやジョギングレベルのランニング等)を取り入れると、筋力が増える基礎代謝を上げることもできるため、効率的効果的にダイエットが可能になります。

オゼンピックの副作用は?怖くないの? 
 副作用について

オゼンピックの副作用の中でも頻度の高いものが胃腸障害です。なかでも吐き気や下痢は5%以上の頻度で起きるといわれています。しかしながら、胃腸障害については本来の作用が一時的に強く出ているとも考えられます。あまりに強くないのであればお薬の服薬を続けると、2−3週程度で症状は徐々に解消されることが多いです。

 低血糖リスクに関しては、起きにくい副作用と報告されている

GLP-1は、血糖値が上昇した時にインスリン分泌を促して血糖を下げる作用を持っているホルモンです。そのため、その働きを模倣したオゼンピックを含めた全てのGLP-1受容体作動薬は低血糖が起こりにくい医薬品として活躍しています。

次の項目にオゼンピックの臨床試験の結果を示しますが、低血糖の報告はオゼンピック使用者では0人、なぜかプラセボ(偽薬)を使用した人で3人という結果になっています。もちろん、低血糖の報告はゼロではなく、無理な糖質制限をしたり、無理なダイエットや過度な運動をした場合は、お薬を使用しなくても低血糖が起こる可能性はあります。過度すぎるダイエット方法は取らずに、正しい使用方法や食生活を送っていただくことで、低血糖のリスクはかなり少ないと考えます。

0.1%の頻度で急性膵炎(膵臓の炎症)が起きるとの報告もありますが、この海外の結果はGLP-1受容体作動薬使用との因果関係ははっきりとはしないという結論になっています。しかし、1つのリスクとして頭の片隅に入れていただき、もし使用後に急激な腹痛などがあればすぐにクリニックまでご連絡ください。


 オゼンピックの副作用に関する研究結果

こちらは2021年に発表された「Safety of Semaglutide」という論文で、セマグルチド(オゼンピックやリベルサスの成分)を使った20以上の臨床治験の結果を検討して、安全性について述べた論文になります(5*)。その中でセマグルチド皮下投与(オゼンピックと同じ)とプラセボを比較しているSUSTAIN1と呼ばれる臨床治験の副作用部分に言及している項目を抜粋して日本語に改変した表となります。このSUSTAIN1では食事運動療法のみで管理されていた2型糖尿病患者さんを対象に、セマグルチド0.5mg,セマグルチド1mg、プラセボ(偽薬)のいずれかを投与し、30週に渡ってその経過を追いました。体重減少の効果については以下の「オゼンピックの効果」の部分で述べますが、ここではその際に出現した副作用の比較を示します。

セマグルチド投与群では、低血糖については0件と報告がありませんでした。これはプラセボ(偽薬)より低い数値であり、安全性が高いと言えるでしょう。その他、膵臓疾患や甲状腺疾患、急性腎障害の報告も全て0でした。副作用としてやはり報告が多いのは胃腸症状で、吐き気は偽薬が8%の訴えに対してセマグルチド0.5mgでは20%で出現、1mg24%出現していることがわかります

 

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参考文献:

(1*)ノボノルディスク社によるインタビュー


(2*)  Sorli, C. et al. Efficacy and safety of once-weekly semaglutide monotherapy versus placebo in patients with type 2 diabetes (SUSTAIN 1): a double-blind, randomised, placebo-controlled, parallel-group, multinational, multicentre phase 3a trial. Lancet Diabetes Endocrinol 5, 251–260 (2017).

(3*) Blundell, J. et al. Effects of once‐weekly semaglutide on appetite, energy intake, control of eating, food preference and body weight in subjects with obesity. Diabetes Obes Metabolism 19, 1242–1251 (2017). 

(4*) Pratley, R. E. et al. Semaglutide versus dulaglutide once weekly in patients with type 2 diabetes (SUSTAIN 7): a randomised, open-label, phase 3b trial. Lancet Diabetes Endocrinol 6, 275–286 (2018).

(5*) Smits, M. M. & Raalte, D. H. V. Safety of Semaglutide. Front Endocrinol 12, 645563 (2021)

監修医師 : 野間直樹

経歴
  • 2015年 大阪医科大学医学部卒
  • 2015年 大阪医科大学医学部付属病院にて初期研修
  • 2017年 大阪市立大学医学部附属病院皮膚科勤務
  • 2019年 メディアージュクリニック大阪梅田院勤務
  • 2023年 ルナアフターピルクリニック勤務
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