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もっと詳しくGLP1を医師が解説!

 監修医師:野間直樹

芸能人の中でも有名なGLP-1ダイエットって?

GLP-1ダイエットは『GLP-1受容体作動薬』というお薬を取り入れたダイエットのことを指します。


ダイエットしようと思い立ったけど、途中でやめてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか?



そのダイエットの大敵である、食事制限のストレスを減らしてダイエットの達成をお手伝いできるお薬が『GLP-1ダイエット』です。


GLP -1は主に下図のような3つの働きをもちます。

① 脳に働き、満腹感を持続させ、間食や食べ過ぎを無理なく防止。

② 胃に働き、胃や腸の動きを緩やかにすることで消化をゆっくりとし空腹感が感じにくくなる。

③ 膵臓に働き、血糖上昇時のみインスリン分泌を促し、急激な血糖の上昇を防止。


GLP-1受容体作動薬は血糖値が上がった時にインスリン分泌を促して血糖を下げてくれる働きがあることから2型糖尿病の治療として世界中で使用されていましたが、どんどん研究が進んでいくごとに2型糖尿病患者さんの体重減少に大きく効果があることがわかり、糖尿病患者さんだけでなく、アメリカやEU加盟国で『抗肥満薬』としてダイエット目的で使用されるようになりました。


この抗肥満効果をもつGLP-1の効果を利用して、おこなうダイエット方法が『GLP-1ダイエットと呼ばれ、近年日本でも認知が広がっています。


他にもGLP-1は様々な臓器に働きかけることによって(下図:1*)ダイエットを手助けします。


例えば、

  • 肝臓に働いて脂肪肝のリスクを減少させたり、
  • 白色脂肪組織に働いて脂肪細胞の分解を促したり
  • 褐色脂肪組織に働いて代謝の上昇を促す

と言われています。

 





 GLP-1でダイエットに成功した有名人

あのイーロンマスクが13.6kgもの減量に成功し、話題になりました。また、イーロンマスクは自身の減量で効果的であった3つの方法をTwitterで紹介しました。

ファスティングとオゼンピック(GLP-1受容体作動薬)。美味しそうなものを自分の近くに置かないこと。

最近ではこの様にアメリカではセレブがGLP-1受容体作動薬を使用した減量を公開して話題になっています。


GLP-1のダイエット利用は保険適用されるの?
 日本ではGLP-1ダイエットは保険適用外

残念ながら、GLP-1受容体作動薬を使用した医療ダイエットは日本ではまだ承認されておらず、保険適応ではありません。しかし日本でもGLP-1受容体作動薬の体重減少効果は認められており、現在は2型糖尿病の治療薬としてのみ承認されています。なかなか『肥満』といった疾患概念が日本人には身近ではないかもしれませんが、アメリカやヨーロッパでは肥満による心血管リスクなどの上昇を強く問題視しています。そのため、GLP-1受容体作動薬を『抗肥満薬』として、アメリカ、EU加盟国28ヵ国では保険治療として認めています

 

 

 世界のGLP-1ダイエット目的使用 臨床試験と承認の歴史

(オレンジの点:アメリカの抗肥満薬の臨床試験、青の点:承認)(2*)



上記図は英科学雑誌Natureの記事より抜粋となりますが、1980年代にGLP1が発見されて以降、糖尿病治療薬としての研究が盛んに行われてきました2000年代に入り、米国食品医薬品局(FDA)はGLP-1受容体作動薬を2型糖尿病の治療薬として承認し始めましたが、科学者らは臨床試験の参加者で体重減少を認めていることに気づいたため、やがて減量を目的とした臨床試験が各社で行われるようになりました

2010年代半ばには、そのひとつであるリラグルチド(サクセンダ)の治験において、参加者が平均約8%の体重減少を認めました。そのため、2014年にはFDAでリラグルチド(サクセンダ)が医療ダイエット目的として承認されています。また、その後セマグルチド(オゼンピック)も2型糖尿病の治療薬として承認されましたが、治験ではリラグルチド同様に参加者の体重減少を認めております。(詳しくはオゼンピックの記事を参照ください)このように、日本では未だ承認されていないGLP-1ダイエットですが、世界中で使用されて、多くの臨床試験が行われている医薬品となります。


GLP-1ダイエットには飲み薬がある!効果は?飲み方は?

GLP-1ダイエットには『リベルサス』という内服薬があります。用量は3mg7mg14mgの3種類あります。元々、セマグルチド(リベルサスの主成分)は分子量が大きく、胃での吸収が難しく、内服薬にはむいていませんでした。しかし、注射薬が苦手な方や、注射投与が困難な方には内服薬が必要であると開発されたのがリベルサスです。日本では2020年に2型糖尿病薬として承認され、20212月に販売が開始されたお薬です。主成分のセマグルチドは注射薬のオゼンピックと同じ主成分です。

 リベルサスの飲み方は?

注射のGLP-1(サクセンダ・オゼンピック)と内服薬(リベルサス)の大きな違いは、投与方法にルールがあるという点です。注射は時間や食事に左右されずに投与することが可能ですが、リベルサスは内服のルールを守らないと効果がかなり落ちてしまうお薬になります。

リベルサス内服時のルールは以下の2つです

①空腹時(起床時)に少なめの水(約120ml)で内服する

内服後、最低でも30分空腹時間を継続する

胃の中に食べ物や飲み物があると、リベルサスの吸収が十分できないので必ず内服方法を守って内服してください。また、上でも記載したようにリベルサスは胃で吸収できるように工夫され、開発されたお薬です。噛み砕いて内服したり、2錠同時に内服するのも禁止されていますので注意してください


GLP-1って効果はどれくらいあるの?どれくらいで痩せるの?

ダイエットの基本は食事と運動ですこれはアメリカの肥満治療の考え方とも同様です。しかし、やはり食事制限や運動を続けることは困難で、結果が出る前に辞めてしまうことが多いですよね。ダイエット失敗理由で検索すると、多くのランキングサイトや雑誌での1位は食事制限が続かなかったです。

何度も紹介するようにGLP-1の減量での主な効果は下記の3つです。 

・食欲を自然に落とす

・満腹感の持続

・血糖値の急上昇を防ぐ

ダイエット中に空腹感を我慢することは大きなストレスです。GLP-1は食欲を自然に落とすことで、空腹感を我慢する時間が減らすことができ、ダイエットのストレスからあなたを解放するお手伝いができます。

しかし、『GLP-1受容体作動薬の効果はどれくらいか?』という質問をよく受けますが、答えは『個人差があります』です。なぜなら、基本は食事と運動だからです。GLP-1は自然と食欲を落としてくれますが、内服前と同じカロリーを食べ続けていれば痩せる事はできません。

 ストレスなく内服前より摂取カロリーを減らし、運動も可能な限り取り入れる方はGLP-1を使用することで、内服前に断念したダイエットが嘘のように減量に成功しています。

下記に各々のGLP-1受容体作動薬の効果論文を紹介しますが、多くの臨床試験では食事や運動の指導もされていますその上でプラセボ(偽薬)より減量の効果を発揮しています。

 

研究結果:サクセンダ使用者と非使用者の減量結果比較

まずはリラグルチド(サクセンダ)の効果を示した論文を紹介します(3*)。こちらはThe SCALE Diabetes Randomized Clinical Trialという、423人の方をそれぞれ、サクセンダ1.8mg使用する群、3.0mg使用する群、プラセボ群(偽薬)に分けて、その結果を比較・検討した論文です。

全ての方に対して、食事療法と運動療法も義務付けているためプラセボの方でも体重減少を認めています。食事療法はいつもの食事より約マイナス500kcal/日にすること。運動療法は1週間当たり合計150分のウォーキングです。

食事運動療法のみで56週間ダイエットを頑張ったプラセボ群は平均マイナス2.2kgなのに対して、サクセンダ1.8mgの群では平均マイナス5.0kg、サクセンダ3.0mgの群では平均マイナス6.4kgの体重減少に成功しています。


 研究結果:リベルサス使用者と非使用者の減量結果比較

こちらは、リベルサスの記事でもご紹介した臨床試験のデータです(4*)。リベルサスをはじめとするGLP-1受容体作動薬は薬の用量依存(mgが多いほど体重減少効果が強い)に体重減少の効果が強くなるという事がわかります。

 

 研究結果:オゼンピック使用者と非使用者の減量結果比較

こちらもまた、オゼンピックの記事でご紹介したデータです(5*)。プラセボと比較して大きく減量効果がある事がわかります。同じ患者さんに同時にサクセンダ・リベルサス・オゼンピックを使用することはできないので、各GLP-1受容体作動薬の効果を公平に比較することはできませんが、多くの臨床試験で各々のGLP-1受容体作動薬の効果が認められています。





GLP-1ダイエットを始めたけど、なかなか思うように痩せない、なぜ?対策法は?
 「GLP-1を使うだけで痩せる」というお薬ではないことに注意!

GLP-1は使用するだけで短期間でマイナス10kg達成できるような夢のお薬ではありません。GLP-1は確かに体重減少効果を医学的に認められた医薬品ですが、体重減少をサポートするための薬剤に過ぎません。

お腹が減っていないのにずっとお菓子を食べていたり、全く運動しない方は申し訳ありませんがほとんど効果が出ないと思われます。

私たちはGLP-1を購入していただくことをゴールにせず、多くの方のダイエットを本気で応援するクリニックでありたいと考え、食事指導や運動指導も取り入れたGLP-1ダイエットを推奨しています!

 好きなものだけを、好きなだけ食べていませんか?

GLP-1ダイエットをおこなっても全然痩せない方は、好きなものを好きなだけ、食欲に関係なく食べていないでしょうか?たとえGLP-1が体の中で働いていても満腹なのに食べてしまっていたり、特にお腹は減っていないのにお菓子を無意識につまんでしまう方は痩せるわけがありませんね。ただ、とにかく食事量を減らそう!と言っているわけではありません。コンビニ食でも種類を選べば十分な量でカロリー制限することが可能です。GLP-1ダイエットを開始しても全く体重が減らない人は食習慣が原因かもしれません。まずは自分が食べているものがダイエットに向いているのか考えてみましょう!当クリニックでは食事のアドバイスもおこなっています。

当クリニックモニターHさんは、3月15日からダイエット開始し、その後21日から食事指導(お肉の種類やプロテインのとり方など)と運動指導を行いました(家でできるスクワットや散歩など)。

15日から21日では56kg台からなかなか脱出できませんでしたが、食事や運動指導を開始した直後からグンと体重減少が見られ始めました。

甘いものが好きでなかなかやめれなかったHさんは、洋菓子から和菓子(大福)への変更や、プロテインの甘い味のものを推めることでストレスなくダイエットを継続できました。

過度な食事制限や運動ではなくても、少し気を付ける事で大きく結果に反映されることがわかりますね。

 消費カロリーが極端に低くはありませんか?

消費カロリーはここでは運動の事を指します。

運動習慣があまりにもないと代謝は落ち、食事制限だけのダイエットではどうしてもリバウンドしやすい体になってしまいます。GLP-1受容体作動薬は褐色脂肪細胞に働きかけて代謝を上げるといった作用も報告されていますが、これはGLP-1の主たる働きではありません。ウォーキングを短時間していただくほうが効果的と言えるでしょう。GLP-1ダイエットをせっかく始める方には、その決意を無駄にしてほしくないというのが当クリニックの考えです。これを機に少しずつ自分が可能な範囲での運動も取り入れてみてはいかがでしょうか?当クリニックでは食事指導だけでなく運動指導や対面ジムとの提携もおこなっております。運動が苦手な方も是非一度お問合せください。


 服用してからの期間が短いにも関わらず、早々に「効果がない!」と判断してはにないでしょうか?

GLP-1ダイエットを始めても全く痩せない方は、もしかして使用期間が短いのかもしれません。世界的に行われているGLP-1受容体作動薬の臨床試験でも多くが3ヶ月以上のデータ、試験によっては1年間の効果を比較検討しています。

GLP-1の効果は無理なくストレスなく食欲を落とし、摂取カロリーを減らす事で体重減少を導くものなので、数日で劇的なダイエット効果を示すものではありません。急激なダイエットはそもそもお薬関係なく危険ですし、リバウンドしやすいです。慌てすぎず、じっくり体重を安全に減らしていきましょう。GLP-1ダイエットの一般的な効果判定は3ヶ月と言われています。

ただ、そうは言ってもイベント事でなるべく短期間で結果を出したい方も多いかと思います。当クリニックではGLP-1だけでなく、毎日約マイナス400カロリー糖分をカットしてくれるSGLT2阻害薬等の医薬品はもちろん、食事指導や運動指導もおこなっています。安全な範囲内で、さまざまな方向からのアプローチを提案します。是非お問合せください。

 BMIが低い痩せ型体形ではないですか?

元々BMIが20以下など凄く痩せ型の方はGLP-1ダイエットが効果的ではないことがあります。お薬関係なく、この体重になってくるとどのダイエットでもなかなか結果は出にくいと思いますし、過度な低体重は危険です。BMIは低いのに体型に自信が持てない方はどこが自分の『なりたい』ではないのか一緒に考えましょう。もしかして運動指導で理想のラインに近づくかもしれませんし、食事指導であと1kg!のご希望を達成することができるかもしれません。数字にとらわれず、『なりたい』を一緒に考え、提案するお手伝いも当クリニックではおこなっています。

 

GLP-1ダイエットはやばい?危険なの?
 承認されていないお薬は安全なのか?

よくGLP1受容体作動薬をダイエット目的に使うのは危険ではないか?といったコメントをネットでよく見かけます。勿論、市販で販売されているお薬も、全てのお薬は少なからず副作用を持っています。そのため、正確なお薬の知識をつけていただき、メリットとデメリットを判断した上で使用していただく必要があるかと当クリニックでは考えております。


GLP-1受動態作動薬は、当然、医師の処方が必要です。胃腸症状の他、低血糖なども副作用として挙げられておりますので、こうした副作用により健康上の重篤な被害を出さないためにもしっかり医師の診察と処方があるクリニックを選びましょう。お薬のご質問やご相談はいつでもお気軽にお問い合わせください。

 EUの医療ガイドライン

メリット・デメリットの点で、ここではEUの医療ガイドラインを紹介します。肥満治療としてGLP-1受容体作動薬を承認しているEUの公式機関(CHMP)のホームページでは、GLP-1受容体作動薬での肥満治療の危険性に対して以下のように記載しています。(6*)


The Agency’s Committee for Medicinal Products for Human Use (CHMP) decided that Saxenda’s benefits are greater than its risks and recommended that it be approved for use in the EU.
和訳すると、『GLP-1受容体作動薬のメリットはそのリスクよりも大きいと判断し、EU での使用を承認することを推奨する』です。


また彼らは次のように続けます。

GLP-1受容体作動薬には小さな効果 があると考えられていたが、体重減少に関しては臨床的に大きな効果があった。安全性に関して、GLP-1受容体作動薬の最も一般的な副作用は、吐き気などの胃腸症状で、この副作用を少なくするために、治療開始時は薬の用量をゆっくりと増やすことが推奨されます』

彼らは、この胃腸症状の副反応は10人に1人に出現する可能性があると記載しており、緩やかな薬の増量でその影響を少なくすることができると言っています。肥満は、見た目のコンプレックスだけではなく、心筋梗塞や脳梗塞などの疾患リスクが上昇することは広く知られており、下図のように様々な疾患リスクにつながります。そして、このリスクの軽減のために医療の力を使ったダイエットがアメリカやEUをはじめとする28か国で承認されています。もちろん、痩せすぎの方がダイエットすることはそれ自体が危険です。

上での述べたように、医薬品を使用した医療ダイエットは、メリットとデメリットをしっかり理解する必要があると我々は考えます。いつでも当クリニックの専門スタッフ・医師があなたの疑問にお答えするので、何かあればお気軽にお問合せください。



 アメリカのFDAによる、サクセンダに関する記載

FDAが承認した肥満治療薬一覧より、GLP-1リラグルチド(サクセンダ)の記載部分を抜粋したものを紹介します。

 

FDA公式の副作用報告では、主な副作用は胃腸症状、また注射による皮膚の部分反応(内出血等)、注射による心拍数上昇のみ報告されています(胃腸症状が大半をしめている)。その他の副作用についてはかなり稀、もしくは人間での臨床試験での報告がないものとして報告されています。例えば、膵炎は臨床試験で報告されていますが、GLP-1との因果関係は確立されていないと報告されています。甲状腺腫瘍は、動物実験においてリスクがあったが、人間との関連性は報告されていません(7*)。

大規模な臨床試験においても、GLP-1受容体作動薬を使用する上でのリスクはメリットを上回らないとして、各国で抗肥満薬として承認されています。
また、胃腸症状等の主な副作用は薬を増量するタイミング等で対策することが可能です。

 

GLP-1ダイエットの代表的な副作用一覧

GLP-1受容体作動薬の副作用で最も報告が多いのは吐き気や便秘などの『胃腸症状』です。それぞれの症状と共に、最新のコンセンサスで推奨されている対応策も同時にご紹介します。

 吐き気

臨床試験では吐き気がGLP-1開始時に最も頻繁に発生する症状であると言われています。発生頻度は試験によって異なりますが、通常は15-50%の範囲で、投与開始の45週間に発生率が高く、その後減少します。症状は症状発生から8日以内に消失する事がほとんどとされています。

 嘔吐

嘔吐は通常520%の頻度で発生する可能性があります。
吐き気より頻度は下がり、症状は18日で消えると報告されています。水分補給や1回に摂取する食事量を減らすことで対応します。

下痢


下痢は通常525%の頻度で発生する可能性があります。
投与開始の4週間で始まる事がほとんどで、その後の発生率は著しく低下します。症状は約3日間続くと報告されています。

 便秘

便秘は通常412%の頻度で発生する可能性があります。糖尿病でGLP-1を使用している人より、肥満症の治療でGLP-1を使用している人に便秘は多く発生するとされています。最初の28日間の間に発生する方が多く、平均で47日間継続すると報告されており、これは慢性的な体質に起因する可能性もあります。

満腹感が持続することによって、水分摂取量が減ることも便秘になる原因であるとされており、水分の摂取や食物繊維の摂取量を意識的に増やすことで対策できます。症状が気になる方は便軟化剤の使用を検討もできます(便秘薬を選ぶときは必ず便を柔らかくするものを選んでください)。

 低血糖

GLP-1受容体作動薬単剤使用での報告はほぼありませんが、多量の飲酒や過度な運動、SGLT2阻害薬との併用使用などで低血糖の報告もあります。
リスクがある方や不安な方は、ブドウ糖等を携帯していただくことをお勧めします。(チョコレートや飴は糖分吸収までに時間がかかるので、清涼飲料水やブドウ糖がおすすめです。ブドウ糖はコンビニエンスストアなどでも最近は販売されています。)


GLP-1副反応の緩和方法(専門家文献参考)

GLP-1受容体作動薬の副作用のほとんどが胃腸症状です。Juan J博士らのグループが2023年に『GLP-1受容体作動薬使用時の胃腸症状副反応に対する専門家のコンセンサス』を発表しています(8*)

GLP-1での胃腸症状の副反応は、長期作用型や短期作用型、また投与経路(内服・注射)に関係なく発生します。それらは通常一過性で、通常は用量を増やした際に始まり、維持容量に達するとすぐに解消するとされています。いくつかの臨床試験の結果を要約した最近の報告ではGLP-1受容体作動薬で治療を受けている肥満患者で起こった胃腸症状の99.5%が深刻な副作用ではないと報告されています。』

そしてこのコンセンサスは最後に

GLP-1受容体作動薬は肥満の方を治療する上で、忍容性が高く、管理が簡単で非常に効果的な医薬品と見なす事ができ、この副反応は重症ではなく、軽度から中等度の強度で一過性であることを医師が患者さんにしっかり説明する義務があり、この副反応に対しての対症療法を共有する必要がある』

とこのコンセンサスを締めくくっています。Juan J博士らはまた『肥満または2型糖尿病におけるGLP-1受容体作動薬の臨床試験における胃腸症状出現の頻度』も、他の論文を参考に表にまとめていたので紹介します。

『リベルサス、サクセンダ、オゼンピック全て最高用量の使用での副作用出現頻度は上記の様な%で報告され、全て軽度から中等度で一時的なものでした。GLP-1受容体作動薬の胃腸症状は用量依存的に多くなると報告されており、より少ない用量(mg)で使用する場合は、この発生頻度よりもっと低いと考えることができます。』

 

 GLP-1受容体作動薬使用時の胃腸症状の予防、緩和方法について

また同論文ではGLP-1使用での胃腸症状の発生を抑える、症状を緩和するために推奨することを以下のように図でわかりやすく示しております。図の下に解説のための日本語をつけておりますが、図もわかりやすく面白いのでぜひご覧下さい。

参照元:『GLP-1受容体作動薬使用時の胃腸症状の予防、緩和方法について』

  • 食事習慣の改善
    • ゆっくり食べる
    • 本当にお腹が空いた時だけ食べる
    • 少しずつ食べる
    • 食後すぐに横にならない
    • 満腹感が出たら食べない
    • 食事の頻度を増やす
    • ストローを使って飲まない
    • ながら食事をせず、味わって食べる
    • 食後すぐの運動を避ける
    • 就寝前の食事を控える
  • 食事内容の改善
    • 低脂肪な食事を心がける
    • 茹でたもの、オーブン調理、焼いたもの等を食べる
    • 水分を増やす(少しずつ飲む)
    • 水分を含んだ食べ物をとる(スープなど)
    • 甘いもの、ドレッシング、辛いもの、缶詰食品等を避ける
  • ライフスタイルの改善
    • 新鮮な空気を吸い、軽い運動をする
    • 食事日記をつける(何が良くて何が悪いかを見つけるために)

『吐き気、嘔吐、下痢、便秘等の胃腸症状への対策』

1. 吐き気の対策

  • GLP1受容体作動薬投与から30分経過後に、クラッカー、リンゴ、ミント、ジンジャールート、ジンジャー系飲料など、吐き気の症状を緩和する食品を食べる。
  • 強い匂いを避ける

2. 嘔吐の対策

  • 脱水にならないように水分補給をしっかりする
  • 少量、頻回の食事を意識する

3. 下痢の対策

  • 脱水にならないように水分補給をしっかりする。
  • スポーツ用のアイソトニック飲料を避ける(クリニック補足:脱水時のスポーツドリンク摂取は必ずしも悪いわけではありません。むしろ純粋な水やお茶よりは吸収されやすいのでお勧めです。ただし、スポーツ飲料だけでは塩分や電解質が不足することが多く、その場合はOS-1などの経口補水液の方がよりお勧めです。)
  • 乳製品、コーヒー、アルコール飲料等を避ける。
  • 穀物シリアル、ナッツなど繊維を多く含む食事を避ける

4. 便秘の対策

  • 食物繊維の量を調節する(増やす)
  • 運動を増やす
  • 食事のバランスを意識する
  • 水分を増やす

『重度もしくは長期的に胃腸症状が持続する場合の対策』

  1. それでも吐き気や嘔吐が続く場合は、食事中の投薬を避け、食事の時間とずらして投与するようにしてください。
  2. 全ての対策をとったにも関わらず、胃腸症状が継続する場合はできるだけ早く医師に報告してください。

もちろん当院では全ての対策をとっていただく必要はありません。ご不安になられた際はいつでも当院へご連絡ください。


たくさんお話ししましたが、1番大事なGLP-1受容体作動薬使用時の胃腸症状の予防方法は

緩徐な用量の増加(mg数の増加)

胃腸症状が継続する場合は無理な用量の増量はしない

の2つです。


そしてセマグルチド(オゼンピック・リベルサス)を使用している人は投与経路の変更で緩和する可能性もあります。内服薬(リベルサス)の方が注射薬より胃腸症状が出やすいという意見もあるので、リベルサスで胃腸症状が継続する方はオゼンピックやサクセンダへの注射薬への変更も検討してみるのも良いかもしれません。


GLP-1ってどこで買えるの?通販で買えるの?安全?

リベルサスは医薬品です。リベルサスの処方を受ける場合は、医療機関で診察を受けることが必要です2型糖尿病の診断を受けている場合は、保険診療内で処方を受けることができる場合もありますが、現在日本では抗肥満薬としての承認はされていないため自費診療での処方が一般的です。

リベルサスや他の医薬品について医師や専門スタッフに詳しく話を聞いてみたい方は、Mona青山クリニックの無料オンライン診療を受診ください!!


参考文献:

(1*): Muskiet, M. H. A. et al. GLP-1 and the kidney: from physiology to pharmacology and outcomes in diabetes. Nat Rev Nephrol 13, 605–628 (2017).


(2*): Prillaman, M. The ‘breakthrough’ obesity drugs that have stunned researchers. Nature 613, 16–18 (2023).

(3*): Davies, M. J. et al. Efficacy of Liraglutide for Weight Loss Among Patients With Type 2 Diabetes: The SCALE Diabetes Randomized Clinical Trial. Jama 314, 687–699 (2015).

(4*): Aroda, V. R. et al. PIONEER 1: Randomized Clinical Trial of the Efficacy and Safety of Oral Semaglutide Monotherapy in Comparison With Placebo in Patients With Type 2 Diabetes. Diabetes Care 42, 1724–1732 (2019).

(5*): Blundell, J. et al. Effects of once‐weekly semaglutide on appetite, energy intake, control of eating, food preference and body weight in subjects with obesity. Diabetes Obes Metabolism 19, 1242–1251 (2017).

(6*): https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/saxenda

(7*): Association, A. D. 8. Obesity Management for the Treatment of Type 2 Diabetes: Standards of Medical Care in Diabetes—2021. Diabetes Care 44, S100–S110 (2020).

(8*): Gorgojo-Martínez, J. J. et al. Clinical Recommendations to Manage Gastrointestinal Adverse Events in Patients Treated with Glp-1 Receptor Agonists: A Multidisciplinary Expert Consensus. J Clin Medicine 12, 145 (2022).

監修医師 : 野間直樹

経歴
  • 2015年 大阪医科大学医学部卒
  • 2015年 大阪医科大学医学部付属病院にて初期研修
  • 2017年 大阪市立大学医学部附属病院皮膚科勤務
  • 2019年 メディアージュクリニック大阪梅田院勤務
  • 2023年 ルナアフターピルクリニック勤務
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