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最近よく聞く、リベルサスってなに?

最近よく聞く、リベルサスってなに?

監修医師:野間直樹 / メディカルダイエット

最近よく聞く、リベルサスってなに?

リベルサスとは何か

リベルサスは「セマグルチド」という主成分を持つ、GLP-1受容体作動薬の1つで、体重減少の効果を持つお薬です。主成分は注射薬のオゼンピックと同じです。

リベルサスの最大の特徴はGLP-1受容体作動薬唯一の「経口薬」であるという点です。胃で吸収するのが困難だったGLP-1を吸収促進剤(SNAC)を使用することで経口薬にすることを成功させ、注射薬が苦手な患者さんにも使用できるようになった画期的なお薬です。

リベルサスには3mg, 7mg, 14mgと3種類の規格があり、ミリグラムよってシートの色が異なります。

リベルサスは食欲を抑える効果がある

リベルサスの作用としては、血糖値依存的(血糖上昇時にのみ働く)にインスリンの分泌を促進することで血糖値を正常値に下げるとともに、血糖の急激な上昇を防止します。また、胃腸の動きを緩やかにすることで空腹感を防ぐ働きを持ちます。そのため、リベルサスを服用することで自然に食欲が抑えられ、満腹感が持続し、空腹感を感じにくくなる効果があります。

この効果により、無意識的に食事量が減り、体重減少に効果的であると多くの論文でも報告され、ダイエット目的での使用が近年世界中で広まっています。

人間の試験であれば食事量の減少はもしかして論文のために意識的に我慢しているのでは?等思う方がいるかもしれませんが、その効果は動物実験でも証明されており、動物の餌の摂取量も自然と減っています。ここからも、いかにこのGLP-1受容体作動薬が我慢なく自然に食欲を抑えてくれるかがわかるかと思います。

GLP-1受容体作動薬は、予防医学の観点からも注目されている

元々リベルサス(GLP-1受容体作動薬)は2型糖尿病の血糖値のコントロールや体重減少での心血管リスクなどを減少させるために有効なお薬で、日本では2020年に承認され、2021年2月から販売が開始されました。

肥満は予防医学が発達したアメリカなどでは日本以上に重大なリスクファクターとして捉えられており、心筋梗塞や脳梗塞のリスク、脂肪肝の罹患につながるとされています。そこで、食事療法や運動療法でもなかなか体重減少が見込めない患者さんのために開発されたのがGLP-1受容体作動薬(リベルサス)等の医薬品で、アメリカやヨーロッパなどの世界各国で『抗肥満薬』として承認されています。

コラム:画期的発明!リベルサス。経口セマグルチドのの何がすごいの?!

元々、セマグルチドは分子量が大きいため消化管での吸収が難しく、注射薬しか選択肢がありませんでした。胃の分解酵素によってセマグルチドが分解されてしまうため経口投与は適していなかったのですが、吸収促進剤のSNACを含めることで分解を阻害し、胃での吸収を促進できるようになり、世界で初めてGLP-1 セマグルチドの経口投与が可能となりました(1*)。

リベルサスってダイエットに使ってよいの?

もともと糖尿病治療薬として使われているリベルサス
ダイエット目的でも必ず医師の処方を受けよう!

リベルサスは、GLP-1という元々体内に存在するホルモンの働きを模倣したGLP-1受容体作動薬です。GLP-1は食後に血糖値が上昇した際、さまざまな臓器に働きかけ、満腹感を感じたり、血糖の急上昇を抑えたりする働きを持っています。2020年に日本でも2型糖尿病の治療薬として承認を受けており、2021年1月から販売されるようになりました。

国内の承認は2型糖尿病となってはおりますが、健康保険適応外の自費診療として肥満予防やダイエット目的として使用されています。血糖値をコントロールしたり、胃の動きを緩やかにすることで、自然と食欲が抑えられるので、摂取カロリーが減り自然な体重減少効果を期待できるからです。

上に記載した通り、GLP-1は元々は食後に分泌されて満腹感を感じさせる作用を持っているので、GLP-1受容体作動薬は満腹感を普段より長く感じることができ、自然と空腹感を抑え、ストレスのある食事制限をすることなく食事量を減らすことが可能です。また、GLP-1の働きは多岐に渡り、肝臓に働きかけ脂肪肝のリスクを減少させたり、褐色脂肪組織に働きかけ代謝を上昇させるといった報告もあります。

リベルサスは医薬品であり、使用する前には禁忌事項や既往歴、他の薬剤との併用などを確認する必要があります。そのため、リベルサスを服用するには、必ず医師の診察と処方が必要です。

リベルサスで効率的にダイエットしよう!

GLP-1は食事をすると小腸から分泌され、脳内の食欲を司る神経に対して食欲を抑えるように働きかけるもともと体内に存在するホルモンの1つです。胃腸の動きを緩やかにして満腹感を持続したり、膵臓に働きかけ血糖値の急上昇を防ぐ働きを持ちます。体内のGLP-1の量が増えることで、少ない食事量でも満足感が得られるため自然と摂取カロリーが少なくなり、ストレスのない健康的なダイエットを続けることができます。

リベルサスは空腹時に1日1回内服するだけでGLP-1の効果を期待できます。注射に抵抗があり、なかなかGLP-1ダイエットに踏み出せない方や、注射だと携帯しにくい方、まずは手軽に開始してみたい方も安心して使用することができます。

リベルサスってどれくらい痩せるの?

食欲抑制効果は早期に見られるものの、短期で大減量する薬ではありません

服用開始から3カ月程度で、減量効果を実感される方が多く、臨床試験でも6ヶ月〜12ヶ月継続使用して効果判定していることが多いです。もちろん、初めの1カ月で減量される方もいますが、急激に痩せるというよりは、徐々に体重が減少していくと考えておきましょう。

GLP-1受容体作動薬は基本的にはストレスなく食事量、つまり摂取カロリーを減らして体重減少に導くお薬なので、数日で急激に痩せるお薬ではありません(仮に晩御飯を食べなかったとしても、なかなか短期間で体重は落ちませんよね?)。また、急激に痩せるダイエットはリバウンドしやすいものです。無理のない範囲でストレスなく摂取カロリーを減らし、健康的に徐々に体重を減少させることを目的としています。

とは言っても、できるだけ早く結果を出したい方が多いと思います。当クリニックでは、患者さんの希望をしっかり問診し(3ヶ月後に結婚式がある、同窓会があるなど)、結果を出すお手伝いをします。

当院ではジムとの提携も行なっています。食事や運動のアドバイスも併行して行なっていますのでお気軽にお問い合わせください。薬を処方して終わりではなく、本気で減量したい人の『なりたい』をサポートします。

コラム【臨床試験紹介】リベルサスの服用と体重減少効果について

1つ目の図は投与開始後から体重変化を4-6週ごとに追いかけたもので、2つ目の図は26週時点での体重変化の数値となります。

ご覧の通り、プラセボ(偽薬)を投与された患者さんと比較して、セマグルチド(リベルサス)を投与された患者さんの方が容量依存的に体重減少を認めた=効果が大きいことがわかります(14mg>7mg>3mg)(2*)。

リベルサスの効果的な飲み方は?

効果をしっかり発揮するには、飲み方に注意しましょう!

リベルサスには、3mg、7mg、14mgの3種類の用量があります。それぞれの服用方法は全て同じです。リベルサスはGLP-1受容体作動薬を飲み薬にするためにコーティング剤を工夫したお薬になっており、GLP-1を胃で十分に吸収するために2つの制約があります。

1.空腹時に内服すること

2.内服してから最低でも30分空腹を保つこと

この2つの制約がリベルサス内服ではとても重要です。

この制約が守れないと胃で十分に吸収することができずにお薬の効果を全て発揮できなくなるので必ず守ってください(もし、生活習慣的にこの制約が困難な方は、注射薬のGLP-1受容体作動薬はこの制約がありませんので、注射薬の方がおすすめです)。

具体的な方法は

1.1日1回、空腹時に少量のお水(120ml以下)で内服

2.最も空腹状態である朝の起床時に内服。(日中にリベルサスの血中濃度が最も高くなる意味でも起床時の内服が推奨されています)

3.リベルサスの服用後の30分〜120分程は食べ物や水分の摂取を控える

どうしても水分をとりたい場合は、出来る限り量を抑えるようにして下さい。その際(内服後30〜120分)、他のお薬やサプリメントの内服も控えていただくことが推奨されていますが、持病などで他の内服薬がある方は内服タイミングの相談も承っていますので、お気軽に医師にご相談ください。

コラム【臨床試験紹介】なぜ絶飲食と水の量に制限があるのか?

①なぜ内服後に絶食時間をもたないといけないのか?:同じ飲水量(50mL)で比較した時、絶食時間を長くした方が薬の血中濃度が上昇していることがわかります(12.6→33.4 nmol/L)。これはつまり、絶食時間を保つことによってリベルサスをより吸収する事ができるという事を示しています。

②なぜ少量の水で内服しないといけないのか?リベルサスを50mLと240mLの水で内服した時の血中濃度の差がこちらです。240mLで内服した時より50mLで内服した時の方が血中濃度(効果)が高いことがわかります。つまり、①と②からリベルサスは空腹時に少量の水で内服し、絶食時間を保った方がより効果的であるということが言えます(3*)。

また他の論文では特殊なカメラを用いてリベルサスの胃での吸収を観察しています。この写真でもわかるように120分で多くが吸収されて140分でほぼ全てなくなっているのが見てとれます(*4)。

リベルサスを飲み忘れた時はどうすれば良い?

飲み忘れてしまった時も慌てて2錠内服する必要はありません。1日スキップして、翌日にいつも通り1錠内服してください。

効果を途切れさせたくない!1日内服しないことでGLP-1の効果がなくなるのでは?と慌てた方、大丈夫です、安心して1日スキップしてください。

コラム:1日飲み忘れても大丈夫なのか?

この図は、リベルサス公式添付文書から抜粋した図ですが、1回内服しなかった場合でも、薄いグレーの線が、灰色のエリア(推奨されるリベルサスの濃度)から著しく外れる事がない事がわかります。これは、リベルサスの半減期(*)が長く、1日の内服忘れによる影響が小さいことを示しています。

もちろん飲み忘れは少ない方がいいのですが、慌てて倍量内服してしまうと副反応が出てしまったりする可能性もあり、またせっかくのお薬が無駄になる可能性もあるので、飲み忘れたら慌てず1日スキップしましょう(3*)。

*半減期:血中の薬物濃度が半分になるまでに要する時間

以下に製薬会社さんが公式で患者さん向けに出しているパンフレットを紹介します

飲んでから二度寝してもいいの?

二度寝NGの根拠は今のところありません

実はよく患者さんから質問があるのが『リベルサスを内服して二度寝をしても低血糖になったりしませんか?危険ではありませんか?』という内容です。

これに関しては、公式文章にははっきりとした言及があるわけではなく、また二度寝について検証した論文があるわけではないため予想の範疇を出ませんが、結論としては二度寝をしてはいけないというだけの根拠はないと考えております。

その理由ですが、リベルサスをはじめとしたGLP-1受容体作動薬は血糖の上昇に依存してインスリンを出すという働きを持っており、内服したらすぐにインスリンを出すお薬ではありません。そのため、リベルサスを服用した後に2度寝をしてはいけないというだけの根拠は今のところありません。

コラム【臨床試験紹介】GLP-1受動態作動薬は、低血糖を起こしにくいお薬

この事からもGLP-1受容体作動薬は、血糖値に依存してインスリンを分泌し、むやみやたらにインスリンの分泌を促すお薬でないことがわかります。つまり、低血糖を起こしにくいと言えます(5*)。(●:GLP-1受容体作動薬投与群 ○:プラセボ群)

リベルサスを使っても痩せない!どうすればいい?

「飲むだけで痩せる」というお薬ではないことに注意!

「リベルサスを飲むだけで痩せる」という広告を時々目にしますが、そうではありません。リベルサスは、自然に無理なく摂取カロリーを減らして体重減少をサポートするための補助的な薬剤に過ぎません。基本的に、痩せる方法は、バランスのとれた食事と適度な運動であることは多くの方が知っています。

リベルサスは、GLP-1の効果を使用し『どうしても食べ過ぎてしまう』を自然に防ぐことでバランスのとれた食事に近づけ、体重減少に導きます。リベルサスに頼るのではなく、食事と運動が基本ということを重視する必要があります。

好きなものだけを、好きなだけ食べていませんか?

リベルサスを服用しても全く痩せない人は、自分が好きなものを好きなだけ食べ過ぎている可能性があります。どんなに有効なお薬を使用していても、摂取するカロリーが消費したカロリーを上回ってしまえば体重は増加してしまいます。

リベルサスは、普段より少量の食事でも満腹感を得られ、空腹感を感じにくくするお薬です。自然と摂取カロリーが減る方は結果が出やすいですが、お腹がいっぱいと感じても食べ続けてしまう方は結果が出にくいかもしれません。

消費カロリーが極端に低くはありませんか?

リベルサスを内服して全く運動をしないのは、健康的なダイエット方法とは言えません。リベルサスは、満腹感を持続して摂取カロリーを自然と減らすことを目的としたお薬であり、消費カロリーを急激に増やすことができるお薬ではありません。

食事量を減らすだけで徐々に体重減少していくことは可能だと思いますが、より効果を加速させるためには日々の消費カロリーを増やす必要があります。臨床試験でも運動指導されていることが多く、それは短時間のウォーキングなことが多いです。運動と聞くとハードな運動を想像してしまいますが、まずは少しずつ取り入れることが大事だと考えます。定期的な運動を習慣にすることは非常に重要です。

当クリニックではトレーナーによる運動指導も承っています。これを機に本気でダイエットしたい方は是非お問合せください。自分が習慣化できそうな運動習慣を一緒に相談しましょう!

服用してからの期間が短いにも関わらず、早々に「効果がない!」と判断してはにないでしょうか?

リベルサスを使っても痩せない人は、内服の使用期間が短い可能性があります。効果の項目でも触れたようにリベルサスは服用を続けることで食欲を抑え、自然な体重減少を目的としたお薬です。そのため、体重減少の結果がすぐに現れるものではなく、約3ヶ月かかると言われています。実際、急速に体重を減らすことは健康に良くありません。リベルサスを最近始めた人は、少なくとも3ヶ月間待ってから結果を確認することをおすすめします。

またダイエットはお薬のみではなく、食事、運動と組み合わせるのがベストです。急いで痩せたい方はお薬以外にも健康的な食事を取るようにし、適度な運動を取り入れましょう。当クリニックでは栄養士、トレーナーとも提携し、患者様のニーズにあった食事、運動プランをも提案させていただきます。ご希望の方はご連絡ください。

BMIが低い痩せ型体形ではないですか?

もともとかなり痩せている人がリベルサスを内服しても大きな効果は期待できません。

これは一般的なダイエットでも言えることですし、痩せすぎている人が短期間で更に体重を減らすことはお薬に関係なく危険な行為です。当クリニックでは食事指導なども取り入れておりますので、痩せ型の方(BMI 18.5以下など)はGLP-1受容体作動薬は使用せずに食事や運動で健康的な体つくりを目指しましょう。

リベルサスの副作用は?

リベルサスの副作用の中で特に頻度が高いものが胃腸障害です。中でも、吐き気や下痢の症状は5%以上の割合で発生すると言われています。ただし、これらの症状は一時的に強く現れる場合があり、徐々に解消されていくとされています。

また、頻度は不明ですが、低血糖が起きる可能性があります。場合によっては意識を失うこともある状態なので、注意が必要です。脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷や汗、顔が青白くなる、動悸、激しい震え、頭痛、めまい、吐き気、視覚異常などの症状が現れた場合は低血糖の可能性があります。もしこのような症状が起こった場合はすぐに糖分(砂糖の場合は20g)をとってください。

また、薬の服用を中止し、早めに医師に相談して、薬の変更や減量など、適切な処置を受けるようにしましょう

コラム【臨床試験紹介】副作用の発生頻度についてもっと詳しく知りたい!

副作用の頻度については、前にも述べましたPIONEER 1の臨床治験の論文(論文1)で副作用の効果についても述べられておりますので、下に表を紹介します。人数を表記。()内は%、経口セマグルチドはリベルサスです。

注意点としましては、本試験は2型糖尿病患者(平均HbA1c = 8 %(健常人は6.2%以下)、平均BMI=32%)を対象とした試験のため、プラセボ投与群においても一定数の、薬剤以外が原因と考えられる有害事象を認めております。上記の表はそれらも含めた治験中に起った全ての事象について報告しております(2*)。

その上で、プラセボ群と比較してセマグルチド投与群で多かった事象について見ていきますと、やはり吐き気や嘔吐といった症状はプラセボより上昇している思われます。一方で重篤な有害事象に関してはこの論文ではプラセボ群と大きな差は見られませんでした。ただし、全く副作用が起こらないわけではないので、副作用と思われる症状が出現した場合にはしっかりと医師と相談しましょう。

リベルサスってどこで買えるの?通販で買えるの?安全?

リベリベルサスは医薬品です。リベルサスの処方を受ける場合は、医療機関で診察を受けることが必要です。2型糖尿病の診断を受けている場合は、保険診療内で処方を受けることができる場合もありますが、現在日本では抗肥満薬としての承認はされていないため自費診療での処方が一般的です。

リベルサスをもう少し詳しく知りたい!

ノボノルディスクファーマ(リベルサスを開発販売している製薬会社)のリンクを記載します。より詳しく知りたい方はこちらも参照してみてください!

リベルサスについて


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#001 リベルサスとは?

監修医師:野間直樹 / メディカルダイエット

監修医師 : 野間直樹

経歴
  • 2015年 大阪医科大学医学部卒
  • 2015年 大阪医科大学医学部付属病院にて初期研修
  • 2017年 大阪市立大学医学部附属病院皮膚科勤務
  • 2019年 メディアージュクリニック大阪梅田院勤務
  • 2023年 ルナアフターピルクリニック勤務
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