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最近よく聞く!GLP-1受動態作動薬とは?

最近よく聞く!GLP-1受動態作動薬とは?

監修医師:野間直樹 / メディカルダイエット

GLP-1受容体作動薬とは?

■ GLP-1受動態作動薬とは

「GLP-1」とはもともと私たちの体にあるホルモンの一種です。満腹感を持続させる作用や血糖値上昇を抑える作用などがあり、太りにくい人ほどGLP-1の分泌量が多いことがわかっています。そこで今注目されているのが、薬でGLP-1を摂取する医療ダイエットです。GLP-1を摂取することで自然と食欲を抑えることができるため、無理な食事制限をしなくて良く、ストレスの少ないダイエット方法として近年注目されています。またGLP-1には内臓脂肪の燃焼を促す効果もあり、内臓脂肪が原因で起こる生活習慣病の予防も期待できます

GLP-1『受容体作動薬』ってどういう意味?

 

そもそも『受容体作動薬』とは、受容体と相互作用して、生物学的反応を誘発(作動)する分子をもつお薬の事です。

ほとんどの場合、受容体作動薬は正の作用をもつ天然の物質の模倣物であり、天然の物質と同等の作用を持ちます。

ちなみに、『作動薬(アゴニスト)』の反対語が『拮抗薬(アンタゴニスト)』で、体重減少作用を持つ拮抗薬には『SGLT-2阻害薬』があります

(1*)。

つまり『GLP-1受容体作動薬』は元々体内にある天然の物質であるGLP-1の作用がより多く働くように作られたGLP-1の体内での働きを模倣したお薬です。

なぜGLP-1そのものではなく模倣なのかというと、体内にもともと存在するGLP-1はものの数分で体内で分解されてしまうからです。そこで、GLP-1の働きを長時間(1日or1週間)持続させるために開発されたのが『GLP-1受容体作動薬』です。

GLP-1って効くの?どれくらい痩せるの?

GLP-1受容体作動薬は日本では2型糖尿病にのみ承認があるお薬ですが、海外では多くの国で抗肥満薬としても使用されていることからもわかる通り、ダイエット効果はあります。

そしてこの体重減少効果は多くの臨床試験で示されています。
しかし、体重減少の効果は個人差が大きく、使用する薬剤の種類や食事摂取量、運動習慣など他の要因によって異なります。

臨床試験においては、GLP-1受容体作動薬は平均して体重の4-5%の減少をもたらすと示されていますが、中には体重10%以上まで減量した人も報告されています(もちろん、元の体重にもよりますが)。

体重減少効果がこれらのお薬の主な目的でがないため、医師の指導のもとで使用する必要があり、ダイエット効果の結果は食事や運動などのライフスタイルを意識しなければ長期的に持続しない可能性もあります。

GLP-1受容体作動薬は効果の根拠がある医薬品ですが、魔法のお薬ではありません。

そのため、当クリニックではGLP-1を販売するだけではなく、ダイエットの効果を最大限に引き出すために食事指導と運動指導も承っています。

以前GLP-1ダイエットに失敗された方も、是非一度お問合せください!

続いて、注射薬や内服のGLP-1受容体作動薬について、それぞれ解説していきます!どのお薬が自分に合っているのか悩んでいる方は是非読んでみてください。

GLP-1の【注射タイプ】ってどんなもの?使い方、効果は?

GLP-1受容体作動薬には下記の図のように沢山の種類があり、リベルサス以外は全て注射薬になります。

当院で採用しているGLP-1受容体作動薬はサクセンダ・オゼンピック、リベルサスの3種類で、注射薬はサクセンダとオゼンピックになります。

注射薬と内服薬どっちを選ぶ?

注射薬と内服薬の選び方ですが、基本的には注射薬の方が胃での吸収を介さない分、内服薬のリベルサスより体重減少効果が高いと言われています。また、副作用である胃腸症状も内服薬より少ないと言われています。そのため、注射薬に抵抗がなく、効果の実感を早く感じたい方は内服薬より注射薬の方が適しているかもしれません。

サクセンダとオゼンピックどっちを選ぶ?

注射薬のサクセンダとオゼンピックの大きな違いは投与頻度です。サクセンダは1日1回投与なのに対して、オゼンピックは週に1回の投与になります。

どちらを選んだ方が良いかは、その人の性格や生活スタイルによるでしょう。

サクセンダがオススメの方
  • GLP-1受容体作動薬を初めて使用する方
    初めて使用する方はまずGLP-1がご自身に合うか試してもらった方が良いかと思います。オゼンピックは、良い意味でも悪い意味でも効果が1週間続いてしまうので、初めての使用の方は効果持続が1日毎投与のサクセンダからの使用を個人的に推奨します。
  • 毎日の体調を踏まえて量をこまめに調節したい方
    食欲を抑えずに食べたい予定がある時や、飲酒を沢山する可能性がある時、体調が悪いシックデイに用量を少なくしたり1日単位でスキップする事ができるのがサクセンダの利点です。
オゼンピックがオススメの方
  • 毎日の投与が面倒な方
    サクセンダやリベルサスと違い、1週間に1回投与で良いのがオゼンピックの1番の利点です。GLP-1受容体作動薬に慣れてきた方で毎日の投薬が面倒で週に1回投与の方が性格に合っている方はオゼンピックがおすすめです。
  • サクセンダで期待した効果が出なかった方
    論文によってはサクセンダよりオゼンピックの方が長期的な体重減少効果を認めると記載しているものもあります。サクセンダで効果が期待通りではなかった方はオゼンピックへの変更も検討してみてください。
他のお薬はなぜ採用がないの?

現時点では注射薬はサクセンダとオゼンピックを当クリニックでは採用しています。

当院では採用薬を選ぶ際に多くの臨床試験での効果を元にお薬の採用を行っております。その一部を下記に紹介します。

トルリシティとオゼンピックの体重減少効果の比較(2*)

ビクトーザとオゼンピックの体重減少効果の比較(3*)

注射薬使用方法

GLP-1の【飲み薬タイプ】ってどんなもの?使い方、効果は?

GLP-1の飲み薬タイプは1つしかありません。GLP-1受容体作動薬『リベルサス』です。
リベルサスの主成分はセマグルチドで、注射薬のオゼンピックと同じ主成分です。
リベルサスの用量には3mg、7mg、14mgの3種類があります。

注射薬よりリベルサスがオススメの方
  • GLP-1ダイエットに興味はあるが、注射薬には抵抗がある方

GLP-1ダイエットに興味はあるものの、はじめから注射での投与は抵抗があるという方は多いです。注射薬の後に内服薬のリベルサスが開発された経緯からもわかるように、内服を希望される方は多いです。

どうしても効果は注射薬の方が胃での吸収を介さないため高いと言われていますが、ゆるやかな効果を実感したい方や、まずはじめにGLP-1を体験してみたいと思われる方にはとてもオススメのお薬です。

  • 注射薬使用後の食べ過ぎ防止に

元々サクセンダやオゼンピックなどの注射薬を使用して希望体重まで減量に成功した方がGLP-1を突然やめるのではなく、リベルサス3mgで緩やかな効果を継続したり、生理中などで食欲が高まる時に臨時的に使用される方もいます。

リベルサスの飲み方

リベルサスは元々注射でしか吸収できなかったセマグルチドを内服薬にするためさまざまな工夫がされています。そのため、正しく胃で吸収させるためにはいくつかのルールがあり、このルールを守らないとリベルサスの効果が著しく落ちるのでご注意ください(4*)。

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リベルサス内服時のルール
  • 空腹時に(起床時)リベルサス1錠を少なめのお水(120L)で内服する。
  • 最低でも30分(可能であれば約120分)絶食状態を継続させる。
    生活スタイルでこのルールが困難な方もいるかと思います。そういう方は注射薬がオススメです(注射薬にはこのルールはありません)。
リベルサスの効果

1つの臨床試験を紹介します(5*)。
リベルサスはこのように用量に比例して高い体重減少効果をもちます

しかし、GLP-1ダイエットの効果は個人差があります。3mgでは全く効果がなかった人もいれば、3mgのみ内服で2ヶ月で5kg痩せる方もいます。もちろん、お薬反応性による効果差もあるのですが、減量に成功されている方は空腹感を感じにくいGLP-1を利用して摂取カロリーを積極的に減らしたり、運動を加えたりと工夫してくださっている印象です。

リベルサス少量では効果がない方は基本の『食事・運動』を振り返ってみてください。当クリニックではとにかく用量を増やす!という方法ではなく、食事指導や運動指導を取り入れて皆さんのダイエットを応援します。

GLP-1の副作用は?

GLP-1受容体作動薬の副作用のほとんどが『胃腸症状』です。
吐き気・嘔吐・下痢・便秘がその中でも主な症状です。

もう既に胃腸症状については知っている!という方も多いのではないでしょうか?

ここではどんな副作用がどのくらいの頻度でおこっているかなどを詳しく見ていきましょう!

JuanJ博士らはGLP-1受容体作動薬の胃腸症状副反応について以下のように述べています(6*)。

「GLP-1ダイエットでの胃腸症状の副反応は、長期作用型や短期作用型、また投与経路(内服・注射)に関係なく発生します。それらは通常一過性で、通常は用量を増やした際に始まり、維持容量に達するとすぐに解消するとされています。いくつかの臨床試験の結果を要約した最近の報告ではGLP-1受容体作動薬で治療を受けている肥満患者で起こった胃腸症状の99.5%が深刻な副作用ではなかった。

また、Juan J博士らはリベルサス・サクセンダ・オゼンピック各々最大量を使用する場合の副反応の出現率を上記のようにまとめています(論文によって異なる)。
(図)各々最大量のGLP-1受容体作動薬を使用した際の副反応出現率

お薬の用量(mg)に比例して効果は上がると報告されていますが、副作用の出現率も用量に比例していると言われています。

この胃腸症状出現率は、最大量使用時のものなので、使用用量が少なければこの出現率も少ないと考えてください。

その他、副作用として、注射薬を選択された方は(サクセンダやオゼンピック)内服薬の副作用とは別に注射部位反応(内出血や痒み)の報告があります。当クリニックでは細い針を提供していますので、起こりにくいとは思いますが注射部位が赤くなったりした場合は医師にご相談ください。

また、稀な報告として膵炎や甲状腺腫瘍が記載されていることがありますが、アメリカFDAの報告によると膵炎は臨床試験で報告されていますが、GLP-1との因果関係は確立されていないと報告されており、また甲状腺腫瘍も動物実験においてリスクがあったが、人間との関連性は現時点でないと報告されています(7*)。

胃腸症状が出たらどうしたら良いの?

GLP-1受容体作動薬で胃腸症状が出るのは有名になってきましたが、その対処方法を書いていなくて困った方もいるのではないでしょうか?
2023年にJuanJ博士らによって最新のGLP-1受容体作動薬使用での『GLP-1投与による胃腸症状に対する緩和方法』が論文報告が発表されたのでご紹介します!(6*)
一過性の症状ではありますが、症状があった際は以下の対処方法を参考にしてみてください。

吐き気への対策

GLP-1受容体作動薬投与から30分後に吐き気を緩和するような食品を食べて、強い匂いを避ける。(海外の論文ではジンジャーやミントが記載されていましたが日本ではなかなか馴染みがないと思うので、消化の良いうどんや豆腐、にゅうめん等がおすすめです)

嘔吐への対策

脱水にならないように水分補給を心がける。

一気に沢山食べるのではなく、少量で頻回の食事摂取方法を心がける。

下痢への対策

脱水にならないように水分補給に努める。

牛乳等の乳製品やコーヒー等のカフェイン、アルコールの摂取は避ける。

食物繊維を多く含む食事を避ける。

便秘への対策

食物繊維の摂取を増やし、食事のバランスを意識する

運動量を増やす

水分摂取量を増やす

便を柔らかくするタイプの便秘薬の内服

GLP-1阻害薬? SGLT2阻害薬ってなに?

ダイエットに効果的なのはGLP-1『受容体作動薬』とSGLT2『阻害薬』です。ややこしいですね。

まず『受容体作動薬』と『阻害薬』は何かというと

受容体作動薬は、受容体に作用してその物質の働きを増加する方向へ働くお薬です。

逆に、阻害薬はその物質の働きを阻害してブロックすることで利益をもたらすお薬のことを言います。

GLP-1『受容体作動薬』は、満腹感を持続したり、脂肪分解作用を持つGLP-1というホルモンの働きを強めることで体重減少に有効な作用を持ちます。

そして、SGLT2『阻害薬』は糖分を尿細管で再吸収して体内に取り込む働きをするSGLT2の働きをブロックすることで再吸収を阻害して、糖分を尿に出すことで体重減少に有効な作用を持ちます。約300〜400kcal/日の糖を尿に排出する事ができます

働きを強くする事で効果があるお薬(GLP-1)と、働きを阻害する事で効果があるお薬(SGLT2)があると言う事ですね。

そして、共に体重減少効果があるこの2つのお薬は併用してより強い体重減少の効果をもたらすこともできます。

併用での効果を検討した論文を紹介します。

以下に、SGLT2阻害剤+GLP1受容体作動薬の2剤併用についての効果ついて述べた論文がありますので紹介させていただきます。(8*)

その論文の中でSGLT2阻害剤単剤と、SGLT2阻害剤+GLP1受容体作動薬の2剤併用を比較した項目によりますと、2剤併用したグループではSGLT2阻害剤単剤よりも平均で体重が1.46kg追加で減少していました。

この試験では低血糖のリスクは増加しなかったと報告していますが、健常な方が併用する場合は低血糖へのリスクは増加する可能性があると考えた方がより安全かと思います。

併用する方は十分に低血糖症状に注意する必要があると考え、ブドウ糖の携帯などを推奨します。

この論文はメタアナリシスと呼ばれる論文形式で、複数の臨床治験等を比較検討し、より高い知見より検討し総合的に評価したものとなります。そのため最もエビデンスレベルが高い研究方法とされております。

監修医師 : 野間直樹

経歴
  • 2015年 大阪医科大学医学部卒
  • 2015年 大阪医科大学医学部付属病院にて初期研修
  • 2017年 大阪市立大学医学部附属病院皮膚科勤務
  • 2019年 メディアージュクリニック大阪梅田院勤務
  • 2023年 ルナアフターピルクリニック勤務
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